「野菜高騰」「平均の倍」「白菜一玉で、○○百円」などの文字を、テレビやネットのニュースで多く目にします。台風や長雨、寒い日が多く続いたなどの実感はあるので、仕方ないなぁ、いつ価格は下がるのだろう、という感情がわく。しかし、その先にまで思いを馳せることは、あまりないのではと思います。
悪天候が続いてしまったら、なぜ価格が高騰するのか。そのような状況において、生産者の人たちはどのような対応を強いられているのか。野菜の栽培計画にどのような影響があって、その範囲はどうなっているのか。僕たち野菜を購入する側の人にとっては、野菜高騰の裏にあることをすべて把握することはできません。
このようなことは、栽培方法についても同じかもしれません。自然栽培、無肥料栽培、無化学肥料栽培、有機栽培、オーガニック、特別栽培、慣行栽培…。ざっと並べてもこれだけのキーワードが出てきます。ある程度、情報を調べてみても、言葉の違いを正確に説明することは難しいのです。
情報を伝える側は、どうしてもインパクトのあるキーワードで見出しを作ります。記事を詳細に読んでみても、すべてのことを理解できるわけでもありません。頭では理解していても、忙しい日常の中では「強い言葉」「印象的な絵」のイメージに左右されてしまっていることも多いと思います。
そんなとき、作っている人に思いを馳せることができると客観的になれたりします。その人との会話や考えを思い出す。その人が日々発信している何気ない情報から、状況を想像してみる。実はそんな些細なことから世の中に発信されている情報の背景にあることが見えてくると思っています。