第1回 夏野菜のトマトをなぜ冬に栽培するのか?

野菜が育つ様子をお届けする「トマトの成長日記」。このコンテンツは、横浜市泉区の小間園芸・肇(はじめ)さん、一貴(かずき)さん親子にご協力いただき、連載していく予定です。

小間園芸 公式ホームページ:http://komaengei.com/

目次

第1回 2108/02/19

トマトの苗を植えたのはいつ頃ですか

 1月18日ですね。ちょうど1か月前。苗の状態でここに植えています。

苗を植える前の準備はいつ頃から

一貴 年明けてすぐですね。今年は、お正月の三が日から準備作業を始めました。

トマトの品種を教えてください

肇 桃太郎ヨークという品種です。大玉のトマトですね。4、5年前は別の品種を栽培していましたが、廃版になってしまったので桃太郎ヨークに切り替えました。昨年まで、もうひとつの品種と一緒に栽培していました。

2年間試してみて、いい方の品種を選抜しました。勝ち残ったのが、この桃太郎ヨークです。

このハウスでは、何本くらいの苗が

一貴 全部で550くらいです。

まだ1か月ですが例年と比較して今年の成長具合は

 やはりこの寒さの影響で多少遅れています。いまの成長段階では凍ってしまうとおしまいなので、まずはそれに気を付けること。このハウスは9~10℃に設定して温度を保っています。

それは暖房を入れているということですか

 そうです。

一貴 例年に比べて暖房費用がかなりかかっています。

そういう費用をトマトの値段に反映させることはできますか

一貴 正直、のせるのは難しいです。まず、ハウスの中を一定の温度に保つために暖房を使っていることを、知らないお客様も多いのではないでしょうか。

また、トマトは夏の野菜なのに、なぜ冬に作るのか、と聞かれることもあります。

 夏に栽培するトマトは納得する味にできません。ここ数年の夏の暑さで、トマトの栽培自体が難しくなってきています。

このハウスの中のトマトも、収穫が7月に入ると、湯だってぶよぶよになってしまう。

値段に乗せることを理解してもらうのが難しいんですね

 他の商品は原価が上がれば値段も、となります。しかし、野菜の場合、値上げを理解してもらうのは難しいと感じます。

そうすると、ここの苗をすべて収穫できるように育てていくことがどうしても必要になってきますね。

 そういうことです。

収穫時期は

 ゴールデンウィーク明けくらいですね。これから気をつけるのは病気ですね。基本的に消毒の回数をできるだけ抑えているので、注意が必要です。

一貴 あとは、脇芽を掻く作業を丁寧にやること。特に受粉作業はとても時間のかかる作業です。気をつけてやらないと成長したときに、傷がついたまま大きくなってしまい、商品にならなくなってしまうのです。

小間園芸さんは、トマトに強いこだわりがあります。肇さんが35年前から作り始めたそうです。毎年進化し続けているトマトは、甘味が強くまるでフルーツのような味がすると評判。そのトマトの成長を見ていくことで、栽培の時期や栽培方法、その中での苦労などが見えてくるかもしれません。少しづつでも、理解を深めることができれば様々な視点から野菜を見つめることができるかもしれません。
取材:2018年02月19日 堀尾タモツ

横浜市泉区 小間園芸

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この記事を書いた人

食や農業関連をテーマにした販促活動のサポートをしています。インターネットをベースとした「売れるしくみ」のための戦略・プランニングから、成果を実現するためのホームページやSNSの運用を行っています。「横浜とれたてやさい」は取材、撮影、編集、運営をすべてひとりで行っています。
いままでの実績などは事務所のホームページをご覧ください。
堀尾タモツ事務所 https://horiotamotsu.jp/

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