トマトの栽培が難しい理由

野菜の中でも、トマトは栽培が難しく大変という話を聞きます。その理由を小間園芸さんのインタビューをもとにまとめてみました。

小間園芸さんに聞いた!ここが大変

  • 手入れが大変
  • 病気への対策に気を使う
  • 温度管理が難しい

このポイントに沿って、大変な理由を整理してみましょう。まずは、トマトの栽培スケジュールから。だいたいこんな感じで栽培が進みます。

1月初め
トマトの苗を畑に植える。(ハウス内のトマト畑に定植する)
育ってきたら紐も巻き付けて上へ伸びていくように誘引する。

2月
受粉をする。

3月
脇芽を掻く。
花びらを取る。
摘果する。

5月初め
1段目の実が収穫できるのが5月初め頃です。
この頃には2段目にも実が付き始めるので、 花びらをとり、摘果する作業が続いていきます。

それでは、各作業についてひとつひとつ見ていきましょう。

紐を使って上へ上と導く

トマトは房がつく位置ごとに1段、2段と数えます。最初に1段目に実がつき、2段目、3段目と上へ上へと実がついていきます。何段目まで実をつかせるのかは生産者によって違いがありますが、だいたい10段目くらいまで実が付くように育てて夏頃まで収穫が続くのが一般的だと思います。

小間園芸の場合、一番上が7、8段目くらいです。そこからさらに下に折り返します。全部で15、16段くらいになります。

(小間園芸インタビューより)

また、ハウスの中とはいえ、下(地面に)に茎を這わせると土がついたり、水が跳ねたりして病気の原因になることもあるため、1本1本の茎に紐を巻き付けて真上に成長するように誘引します。この紐はトマトの成長にあわせて巻き直し、基本的に最後まで調整することになります。

真ん中に見える紐で誘引しています

張り具合、巻く位置には特に注意が必要。最初はゆるめで張っておきます。これからも成長するので、上に伸びていきやすいよう、少したるませています。


紐を巻く位置にも気を付けないと、実がならなくなってしまうこともあります。適切な場所に、大事な箇所を気づけないようにとても神経を使う作業です。

小間園芸インタビュー

手作業による受粉

小間園芸では、受粉は手作業で行っています。

過去にはハチによる受粉をしていたこともあります。その場合、トマトの種が大きくなってしまうのでは、ということが気になりました。食べたときの食感が気になる。お客様からも、そういう声があったのです。

小間園芸インタビューより

受粉で難しいのは、タイミングです。いつ受粉させるかを見極めておくこと。家庭菜園であれば本数も少なく、観察も楽ですが農園では数が多いため観察するだけも大変です。(ちなみに小間園芸では500~600本を栽培しています)

さらに、まだ受粉させていないものと済んだものも区別しておく必要があります。

花が開いたら受粉。それも一回だけです。二度やるとダメ。その一方で、受粉を忘れてしまうと、当然実がならない。一本の苗でも、受粉させるタイミングが違うので、ひとつひとつの花を見て、これは受粉させる、これはまだ、これは受粉させた、ということを覚えておく必要があります。

小間園芸インタビューより

脇から出た芽を掻く

脇芽とは、主となる茎を上に伸ばしていくときに、茎の脇から出てくる新しい芽のこと。この芽をできるだけ早く摘み取る必要があるのです。

脇芽をとった後

トマトの茎を上へ上へと成長させます。脇芽をそのままにしておくと、横に木の枝のように膨らんでいってしまうのです。中心となる茎に栄養が集中して、上へ伸びていく。そこについた花から実が成長していくように手を入れていきます。

また、横に広がっていくと、隣の茎・葉と重なって蒸れた状態になり、これも病気の原因となります。管理が難しくなっていく。1本の主となる茎を上へ上と成長させてあげることで、管理をしやすくすると同時に、実が大きく育つ、病気を防ぐことができるんです。

小間園芸インタビューより

脇芽掻きをするときには、こんな注意も必要。

天候がいい晴れた日にやること。掻いた跡はトマトにとっては傷口のような状態なので、早く乾く状態にしないと病気の原因にもなるのです。

小間園芸インタビューより

花びらをとる

ハチを使って受粉する場合には、花びらを手で取る作業が必要かはわかりませんが、ここではすべて手作業での受粉なので、どうしても花びらを取る作業は必要です。

これがトマトとして大きく成長していく実の部分ですね。花がもう少し大きくなってくる花びらを取ります。注意するのは、小さい実に触れないようにしながら取ることです。触ってしまうと、傷が残ったまま実が成長してしまいます。その時はわからないのですが、成長したときには、跡がはっきりと残ってしまうので、売れなくなってしまいます。とても神経を使う作業なんです。

小間園芸インタビューより

実の数を調整する

実を大きく育て、味もよくするために一定の数の実に栄養分を集中させます。
小間園芸では、一房が4つの実になるように、摘果して数を調整します。

また、上部の方でもきちんと成長させるためのバランスも考える必要があります。特に大玉トマトの栽培では摘果は欠かせない作業です。

ハウス内の温度を調整する

ハウス栽培でも、気候・気温の影響を受けます。気温が低い時期ではハウス内で暖房をつけて一定の温度に保つ必要があります。逆に気温が上がりすぎている場合には、ハウスの窓を開閉して調整します。

毎年、同じような成長速度にあわせるようにします。そのために、昨年より暖房費がかなりかかっています。2倍くらいの金額になってしまうと思います。


今は夜の温度を9~10℃くらいで調整しています。外の気温がかなり低くなっても、ハウス内の温度が保てるように調整するので、寒い日が続けば暖房費用がかさんでしまうのです。

小間園芸インタビューより

このように、気候の変化があっても同じ時期に収穫できるように成長の速度を考えて栽培しているのです。そのために暖房費用などがかかってしまっても、 その分だけトマトの値段を上げることは難しいようです。

病気や生理障害への対応

トマトは害虫被害や菌などの病気以外にも生理障害が発生することもあります。

病害はなく生理障害で、実が割れたり実の下の部分が変色するものが出てくる場合もあります。カルシウムが不足しないように気を付けます。糖度を高めるために水を与えない時期もあるので、味と収穫量とのバランスも考えながら管理することが大事です。

小間園芸インタビューより

最後にインタビューで印象に残った言葉を紹介します。

味が美味しいトマトができても収量が少ないのでは商売としてはよくありません。
その逆でも同じこと。味、収穫量などすべてのバランスがうまくいかないと。とはいえ、トマトの場合はそれがとても難しい。30年やってきても難しい(笑)。

今回インタビューをご紹介した小間園芸さんでは、昨年からトマトのオンライン販売を始めました。直売所に行く機会が少ない人にはとてもうれしいですね。その日に収穫したトマトの味をぜひ確かめてみてください。

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