「人生のスタイルを実現するための、いくつかの手段。農業は、その中のひとつ」久保寺 智さん(前編)

旅先の農場ではどんなことを

久保寺 ただお話を聞かせていただいた農場もあれば、住み込みで働かせてもらった農場もあります。その時々で興味が向いた場所を尋ねてまわりました。農業とはなにか、農家の皆さんがどういう気持ちで農業をやっているのかを知りたかったんです。

貴重な体験ですね

久保寺 いまの自分を作っているのは、農業旅での体験だと思っています。とはいえ、その当時はこんなことをしていていいのか、そろそろお金を稼がないと生活が成り立たないかも…など、実は葛藤もあったんです。そんな迷いを越えてしまう楽しさがそこにあって。

農業に可能性があるなと感じはじめていましたし、なにより、心の声は「このまま進むべき」と。その生活の中で、農業で生活していくという道に進む決心が固まっていきました。



印象に残っている農場はありますか

久保寺 どこもとても楽しく思い出があります。しいて言うなら、ひとつは茨城県にある久松農園。3か月ほど過ごさせてもらいました。ここでの農生活で、「農業を自分でやっていこう」という気持ちがより一層強くなったことをよく覚えています。

次に、三重県にある赤目自然農塾。実際に作業をし、学びの場に参加させてもらった訳ではないのですが、自然の営みに沿った農を実践している圃場を目にし、農業にはカタチの違った面白い世界がたくさんあるんだなと、強い衝撃を受けたものです。

 

それにしても1年は長いですよね

久保寺 いま考えると無茶な行動だったかも(笑)。やりたいと思ったら行動しないと気が済まない性格なんです。心の声には嘘をつきたくないんですよね。その当時はすでに結婚していたので、妻に承諾を得てから行きましたけど。いまでも妻のお許しにはとても感謝しています。

実際に農業を始めるにあたって何からスタートしたんですか

久保寺 どこで農業を始めるか考えたときに、地元の神奈川が頭に浮かびました。情報を探していく中で相原農場の相原成行さんを知り、会いにいきました。相原農場は研修生、援農を受け入れているので、アルバイトをしながら1年半ほど研修生として通い、いろいろなことを学ばせていただきました。

そして、生産者としてスタートした

久保寺 就農と同時にここ、小田原に来ました。実家のある場所でとも思っていたのですが、すぐに農地を借りることができませんでした。

しばらく実家周辺で農地を探していたら、現在の土地とのご縁をいただき、「ここで農業をやろう!」と決めました。いまは就農してからちょうど6年目に入っています。

久保寺農園が目指している「人の力と少しの道具でできるシンプルな農業」について教えてください

久保寺 農業のテーマ以前に、人生のテーマがあります。「自分の力で。頼るものは少しのもの。好きなことにチャレンジする。」その中の一つに農業がある。依存する物が少ないということは、なにかが起こったときに対処できる強さがあるということ。

少しオーバーに聞こえるかもしれませんが、サバイバルみたいなことができればできるほど、自分のエネルギーが高いと実感できる。いかにそういう状態に自分をもっていくことができるか?? ということは良く考えています(笑)

おすすめ記事

関連記事一覧